深海きのこ【Mushroom of deep sea】制作過程:後編
こんばんわ。ナオです。
今回は、深海きのこをモチーフとしたアイテムを制作した後編となります。
前編はこちらです。
それでは、よろしくお願いいたします。
-原型の完成-
細部は金属になってから詰めていくのでこの状態でひとまず完成となります。
ここからシルバーに置き換えるため工場へ出荷となります。
前回から金属への変換は錬金術で錬成しているのだという頑なな主張をしておりましたが、こういうケースもあります。リアリズムです。そんな目で私を見ないでください。
-刈取り&出荷-
原型は鮮度が命です。
素早く刈入れます。
一度決めたらすぐに取り掛かったほうが良いです。
もうちょっと成長させたらどうなるかなんて悩み始めると、最終的に後悔します。
自分の直感を信じてサクサクといきましょう。
そして出荷。
まさかの自分で出荷。
製造技術の高いファクトリーへ届けるのは、長く険しい道のりです。
幾年もの年月経てやっとの思いでたどり着く様はまるで大航海時代の冒険者のそれです。
おっと。いささか主観が強く、誇張が入ってしまいました。
あくまで気持ち的にはと言うことです。
現実の時間に換算した場合は大体2時間半です。徒歩で。
文明的な乗り物を使えば40分。
愛車(自転車)にまたがれば30分。
ちょっと文明より愛車の方が早いという訳のわからない展開ですが、大都会東京とはそういうものなのです。
まあ、再度の弁明となりますが、気持ち的には長旅です。
話は戻ります。
-Factory-
ようやく工場へ到着と相成りました。
その日の内に仕上がることはなく、早くて翌日の夕方。翌々日の夕方あたりがデフォルトです。混む季節は+1日ぐらいです。
収穫したモノを渡して、肩の荷が下り受付の人に滔々と深海きのこの魅力を語り、うんざりされるワタクシ。
そして後日受け取りに。
-キノコ・組み立て前-
無事に成功しました。
素材はSilver925です。右に見えるのはバチカンといってチェーンを通すパーツです。
バチカンは元々三味線の撥(バチ)に似ている形の環(わ)という所からきているそうです。
ここまでキノコやら植物が茂っていると由来の面影がありませんが。
この後は型を作成するために分割します。キノコの傘は軽量化するために厚みを抑えて作りました。
つまり逆テーパーという型の取れない状態なのです。分割しなければならないのでメリットがなければ避けるべき内容となりますが、今回は身につけるのに適した重量にするために行いました。
ですので本体3パーツ+バチカン1パーツの合計4パーツを組み立てていきます。
-組み立て後-
組み立てもトラブルなく終了です。
先ほどの写真から、バチカンが真ん中に移動したくらいの変化しかないですね。
しかしながら前述したように、分解して型をとって複製しての組み立てなので工程は意外と多いのです。火も糸ノコもヤスリも使い、なんなら医療用のメスも用いての作業です。大変。
この後は、燻(いぶ)していきメリハリを出していきます。このままの色合いも好きなので、いつも迷います。両方作っても良いかもしれませんね。
そして、リューターで磨いていきます。先日のジュエリー用語関連しりとりに出てきましたね。⇒リューターとは。
-深海きのこ完成-
Concept:森の奥にひっそりと佇む深海きのこ。海月のような傘を持つ希少種。周りの植物に力を分け与え、共に成長していく様から繁栄と幸運の象徴として愛されてきました。
鏡面仕上げにすることで、きのこの傘の部分の艶やかさを出し、周りに植物をリース状に装飾することで、装着性を高めつつ植物の成長の躍動感を表現しました。
深海きのこについて詳しくは⇒前編の「深海きのこの概要」へ
素 材:Silver925
サイズ:約31mm×22mm
重 さ:約5g
はじめてキノコのモチーフを制作しましたが、綺麗にまとめられたと思います。良かった。サイズは表記の通りですが具体的なイメージとしては、下のきのこの方が百円玉より気持ち小さいような感じです。
スマートフォンなどをお使いの方は百円玉を画面に置いて合わせてみると大体のサイズ感など確認できます。
重量は約5gで見た目のボリュームに対しては軽くて付けやすい仕上がりになりました。分割してまで軽量化した甲斐があります。
さて、恒例の締めとなっていますが、お付き合いくださいませ。
「ここでオンラインショップなどを紹介できたら良いのですが、いかんせんありません。
さらにオフラインショップもありません。ええ、いかんせんありません。」
宜しくないですね。まったく。
お求めやすい価格ですよ。(目を泳がせて口笛を吹きつつ)
ご静聴ありがとうございました。
おまけ
Twitterで以前"#あなたの一円玉見せてください"というハッシュタグを見つけまして、そういえばと、組み立てる前にバチカンを撮影してみました。
こうしてみると小さくみえますね。
手をプルプルさせながら作ってました。