深海きのこ【Mushroom of deep sea】制作過程:前編
こんばんわ。ナオです。
今回は、深海きのこをモチーフとしたアイテムを制作しました。
Instagramには制作過程を投稿していましたが、完成の写真は今回初お披露目となります。※前編後編に分けたので後編でお披露目となります。
初秋も過ぎ、季節感もばっちりです。この時期に発表するために、あえて完成写真を温めていました。ええ、あえてです。本当ですよ。忘れていたわけじゃないですよ。あ、石を投げないでください。
さて、では参りましょう。
深海きのこの概要
シンカイキノコ (深海きのこ、Mushroom of deep sea)
分類
界 : 菌界
門 : 変形菌門
綱 : 風深海憧綱
目 : 風深海キノコ目
科 : 深海キノコ科
属 : 深海キノコ属
種 : 深海キノコ
深海きのこは、クラゲの様な傘を持ち、風に含まれるエーテルを栄養源とする希少種のきのこである。
通常のキノコ類と違い、養分を大地からではなく風から摂取することから、異説では風精霊科に分類されるともある。
生態
最大の特徴である養分の摂取は、きのこの傘で風をとらえてエーテルのみを吸収しており、その際に余った養分は柄を経由して大地に還元されていく。そのため深海きのこを観測できる地点では、周囲の植物に著しい成長が見て取れる。
また、繁殖期になると傘が膨れた後にツバが複数に分割され、クラゲと類似した形態となり、タンポポの綿毛のように空へと飛び立ち海へと向かう様子が確認されている。
その空へと浮遊(富裕)する様と、深海きのこの周りが繁栄する特徴から縁起が良いとされており、人気が高く古くから工芸品などにもよく見られる。
(変形菌類生態学の基本-風深海憧網<1>-より引用)
かなり、意訳してしまっているきらいがありますがご容赦頂きたい。
制作過程も出来る限り忠実に再現していきたいと思います。
step.1 -第一成長-
初期の深海きのこは、通常のきのこと変わらず外見的特徴は見当たりません。
また、青い色なのは原型の素材の色味です。
原型素材は蝋で出来ていて、粘度や切削性によって沢山種類があるので、間違えないように基本的に同じ色はありません。
見分けやすいようにという配慮だと思われますが、結構派手な色が多いです。
最終的には銀になるので、随分とギャップがあります。
この色のおかげで形は違いますが「ソライロタケ」疑惑が発生しました。
深海きのこです。Mushroom of deep seaです。風深海憧綱です
はい、完全に余談でした。
step.2-ニョキニョキ-
増えました。もうそろそろ第二次成長期が訪れます。
色は変わりませぬが、次のシルエットは脱ソライロタケなのです。
step.3-第二次成長-
深海きのこ特有のクラゲのような傘が現れてきました。
傘のすぐ下のツバ部分も既にクラゲの足と似ています。
この変化は一瞬のうちに行われるため、資料がありません。
<完成度45%>
step.4-エーテルの還元-
栄養源である風の中に含まれるエーテルは、深海きのこの中に蓄えることができないため、常に吸収しており、余分な栄養は根付いている大地へと還元されていきます。
その影響により周囲の植物たちの活発な成長が始まりました。
<完成度65%>
step.5-浮上する深海きのこ-
深海きのこを取り囲むように成長した植物が、最終的に深海きのこ自体を押し上げていきます。
この状態は 成長ステージの後期に見られ、深海きのこが飛び立つ前兆として知られています。
以前は生態の把握がなされておらず、周囲が成長し過ぎたため養分の還元に支障をきたさない様に新たな土地を求め飛び立つという説が一般的でしたが、現在では成熟期を迎えたため深海へと繁殖活動へ向かう行動だと解明されています。
<完成度85%>
step.6-成熟・収穫期-
この辺りで収穫とします。これより先は完全にきのこの形ではなくなるので、またいつかの機会に制作したいと思います。
<完成度95%>
収穫したきのこをジュエリーにしていく過程は後編へと続きます。
ちなみに、サイズ感はきのこの周りの紫色の植物の外周が100円硬貨ほどの大きさとなっています。実物よりだいぶ小さく作りました。
以上、深海きのこの生態をオマージュした制作過程でお届けしました。
ご静聴ありがとうございました。
後編へ続く!